お住まいをお探しであれば必ず候補に上がってくるリノベーションマンション。
今では一軒家と並んで人気の住宅です。
一体何がそこまでいいのか、またリノベーション済みといっても中古ですから、どういったところに気をつけなければならないのか。
リノベ済みのマンションが本当にいいものなのかが分からず、判断に困りますよね。
住宅は安い買い物ではないですから、絶対に失敗したくはありません。
仕事柄、住宅の検査やリフォームの現場に立ち会うことが多く、業界情報も多く入ってくるので、ここではリノベーションマンションのメリット・デメリットについて解説していきます。
それでは早速見ていきましょう。
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目次
リノベマンションのメリット
1.おしゃれな物件に安く住める
なんと言ってもこれが一番の魅力です。
ただし、皆様と同じくリノベーションマンションをお探しの方、またすでにリノベーションマンションに住まわれている方にとっては、安くよりもおしゃれが先に来ます。
おしゃれな住まいを探した結果リノベーションマンションに行き着いたという方が多いです。
なんとなく工業生産品チックな最近のモダンデザインな住宅と比べて、リノベーションマンションにはどこか温かみがあります。
レトロですとか、クラシカルといった言葉が似合う佇まいです。
時間の流れによって自然と味わい深くなったマンションの、中身だけを最新にして快適な暮らしができるということで、リノベーションマンションは非常に人気の高い住宅です。
そしてついでにコストパフォーマンス。
ただ、基本的にリノベーションマンションは一点物なので、価格以上の満足感が得られるものとなります。
2.資産価値が減りにくい
マンションには大規模修繕工事というものがあります。
12~3年に1回のペースで、マンションの外側(屋上、共用廊下、階段、エレベーター、バルコニー、手すり、など)をまるっと修理します。
建物そのものの劣化を防ぎ、タイルの剥がれや染み、汚れ、古くなった設備の事故への対策を行います。
そうすることでマンションそのものの価値を維持しています。
加えて専有部分と呼ばれる、皆様が実際にお住いになる部屋をリノベーションすることで、物件の資産価値を保ちます。
鉄筋コンクリートの建物は、メンテナンスなしの雨ざらしでも70年は持ちますし、欧米では築50年程度の物件ですとYoung Houseと呼ばれるほどです。
長い人生の中で、万が一お住まいを手放さなければならなくなった時、この事が非常に大きな意味を持つことでしょう。
3.鉄筋コンクリートの信頼感
先程少し触れましたが、鉄筋コンクリート造の建物はとても頑丈です。
また防音に優れ、火災が起こりにくく、熱さ寒さに強いです。
特に火災への強さについては特筆すべき点で、鉄筋コンクリートマンションでは気密性も高くなるため、極端な話をすると部屋で火が出た際に、ドアを締めておけば部屋の酸素がなくなり火が勝手に消えるケースもあります。
新築で鉄筋コンクリート造の住宅を建てようとすると、土地を含めない建物のみでも坪単価は普通に100万円を超えます。
沖縄では以前からコンクリート造の一軒家が多く、これは台風対策とシロアリ対策が大きな理由となっているようです。
それほど鉄筋コンクリート造は頑丈なものとなり、その頑丈さが必要となるため、今でも多額の費用を投じて建築なさる方が多い状況です。
リノベーションマンションにお住まいになるにあたって、鉄筋コンクリート造であるということそのものも大きなメリットとなるでしょう。
リノベマンションのデメリット
1.間取りの自由度が制限される
元々の建物に手を加えるわけですから、不要なものを一旦すべて取り払うフルリノベを行ったとしても間取りの制限は大小出てきます。
地震への対策上、どうしても取ることのできない柱や壁があったりですとか、階上との関係で天井高をこれ以上高くできないですとか、窓の位置もそうでしょう。
基本的には設備関係を最新にすることに意義があると捉えなければなりません。
もちろんフルリノベであれば自由になる部分も多いので、ある程度お好みの間取りに寄せることはできるでしょう。
それでも新築の注文住宅に比べると制限はどうしてもかかってきます。
逆に言うと、新築の建売住宅と比較すると自由度はかなり高くなります。
2.費用が見えづらい
新築住宅であれば、坪単価と呼ばれるものである程度の費用感を計算することができます。
これに対してリノベーションマンションですと、まず次の2つから選ぶ必要があります。
似ているようで違います。
まず、リノベーション済みのマンションを買うことについてはそれほど難しくはありません。
リノベーションしてるからこの物件はこんなもんか
と、元々のマンションの値段に、リノベーションにかかった費用が当然上乗せされた価格になっているからです。
ではマンションを買ってリノベーションを行うとするとどうでしょう。
- まずマンションを買います
- その後リノベーションを行います
そうすると2段階で費用がかかる計算となり、特に買った後のリノベーションにかかる費用が見えづらいというわけです。
ただし、市場に出回っている物件数を考えると、一旦マンションを買ってからリノベーションを行った方が理想のお住いに近づけやすいです。
物件の販売とリノベーションをセットで提案ができる会社に相談したほうがいいでしょう。
3.いつまで住めるかが不安
デメリットとして挙げましたが、中古であるがゆえに新築と比較して耐用年数が低いのではないかとお考えの方が多いかと思います。
結論から申し上げますと、決してそのようなことはありません。
先程も少し触れましたが、ノーメンテナンス・雨ざらしで70年は持ちます。
そうすると、適切にメンテナンスがされ、人が住まい続けたとすると、例えば100年といった期間も決して不可能な話ではないように思えます。
ただし断定はまだできません。
実際に人が住んでいて、100年が経過したマンションが日本にはまだないからです。
ただし欧米に目を向けると、100年以上使用されている住宅は普通にあります。

ここまでリノベーションマンションのメリット・デメリットについて見てきました。
家そのものの性能やデザインもそうですが、それと同じくらい近隣環境や立地、また皆様の感性に合うかどうかが非常に大事です。
これは実際に物件を見てみなければどうしてもわからない部分です。
百聞は一見にしかずということで、理想の住まいを見つけられた方は、早い段階から実際の物件を見て回っています。
リノベーションマンションとの出会いはご縁によるところもやはりあるので、まずは良さそうな物件に行ってみると言うところから始められるといいでしょう。