リフォーム瑕疵(かし)保険といものをご存知でしょうか。
ほとんどすべての方がいいえとお答えになるでしょう。
私も仕事柄触れる機会があったので知っているだけで、下手をすると一生聞くこともない言葉だったかも知れません。
そのリフォーム瑕疵保険ですが、結論から申し上げるとかけた方がいいです。
この記事をご覧の皆様は、おそらくリフォームをお考えだと思います。
かつ費用が高く、大掛かりなものなのでしょう。
知っている者が得をするという言葉があるように、
これはそんな方にこそご活用いただきたい、コスパがすごい制度です。
それでは早速中身を見ていきましょう。
リフォーム瑕疵保険とは?
リフォーム瑕疵保険とは、リフォームにかける保険です。
かけるのは皆様ではなく、工事を行う側、すなわち工務店やリフォーム業者さんです。
リフォームを行った結果、例えば屋根の工事を行ったあとに雨漏りがした、といった際に屋根を改めて修理するためのお金が出る制度です。
瑕疵(かし)とは、誤解を恐れず申し上げると欠陥のことです。
人間がやることですから、設計や工事中の何らかのミスで欠陥が起こってしまう可能性はどうしても出てきます。
リフォーム瑕疵保険は、この万が一のリスクに事業者側が備えるための保険です。
リフォーム瑕疵保険はどんなリフォームに使える?
次に、リフォーム瑕疵保険が実際にどんな工事にかけられるのかを見ていきましょう。
皆様のご予定しているリフォームが含まれているかご確認ください。
- 一戸建て
- アパート(大家さん向け)
- 分譲マンションの専有(自分が住んでいる)部分
構造 | 基礎・柱・梁など、家を支える部分 |
雨水の侵入を防止する部分 | 屋根・外壁など、雨風を凌ぐための部分 |
コンクリート工事 | 玄関の土間など、構造以外のコンクリート部分 |
木工事 | 天井・階段などの木でできた部分 |
ボード・表層工事 | 石膏ボードや壁紙など |
建具・ガラス工事 | 室内の扉など |
左官・タイル工事 | 塗り壁や石壁、タイルなど |
塗装工事 | 仕上げの塗装など |
屋根工事 | 屋根の仕上げなど |
内部防水工事 | お風呂やキッチンなどの防水部分 |
断熱工事 | 断熱材を入れるなどした部分 |
防露工事 | 断熱と同じ(結露などが対象です) |
電気工事 | 電気の配管や配線、コンセントやスイッチなど |
給気・給湯・温水暖房工事 | 配管・蛇口・水栓・キッチンの取り付けなど |
排水工事 | 排水管の取り付けなど |
汚水処理工事 | 汚水処理層の取り付けなど |
ガス工事 | ガスの配管やガス栓の取り付けなど |
雑工事 | 屋根裏や床下の換気口の取り付けなど |
このように、だいたいなんでも行けるというご認識でよろしいかと思います。
続いて保険期間についても説明いたします。
構造 | 5年間 |
雨水の侵入を防止する部分 | 5年間 |
それ以外の部分 | 1年間 |
大事なのは、この期間は保険会社が事業者に修理のためのお金を支払う期間だということです。
ですから皆様にご確認をいただきたいのは、
この会社は最低でも5年(1年)の保証を謳っているのかどうか
です。
極端な話、
どこのリフォームでも10年保証しますよ~
という会社であれば、リフォーム瑕疵保険のことなど考えなくてもいいのです。
逆に、
保証? えーと……
という会社であれば、絶対にリフォーム瑕疵保険をかけてもらってください。
リフォーム瑕疵保険の金額は?
改めて申し上げますが、
リフォーム瑕疵保険は皆様が入る保険ではありません。
リフォーム工事を行う事業者がかける保険です。
なので本来、リフォーム瑕疵保険の金額云々は皆様にとってはどうでもいい話です。
ここはご参考程度に流していただければと思います。
また万が一の保険支払金額にいても、プランにより100~1,000万と幅があります。
ご注意いただきたいのが免責です。
まず10万円が免責金額となりますが、これも事業者と保険会社との間の話です。
万が一、工事を行った会社が倒産している場合は、保険会社から皆様に免責無しで直接保険金が支払われます。
また当然ですが、この保険はあくまでも瑕疵(人的ミス)に対する保証です。
天災による損害についてはすべて免責となりますのでご注意ください。
加えて、事業者が悪くない場合(ご自身のDIYなど)の損害も保証対象外となります。
リフォーム瑕疵保険のかけ方
現在、リフォーム瑕疵保険を取り扱う保険法人はこちらです。
まずは工事を行う会社にリフォーム瑕疵保険をかけてほしい旨を伝え、この5社のうちのどこかで登録がないかを確認してもらい、なければ登録をしてもらいましょう。
皆様に行っていただくのはそれだけです。
あとは工事会社と保険法人とがやり取り、段取りを行いますのでご安心ください。
いかがでしたでしょうか。
リフォーム瑕疵保険とは、工事を行う側が自分のミスに備える保険です。
ですので個人でかかるといったことはできず、皆様がご存知でないのは当たり前です。
大きな会社であれば自社保証が充実しているかも知れませんが、街の工務店や地域密着型の会社であれば、このリフォーム瑕疵保険でより安心してリフォームを行うことができるかと思います。
最後に一つメリットをお伝えしておくと、リフォーム瑕疵保険をかける際に、構造・雨水の侵入を防止する部分の工事を行うのであれば、保険法人の検査が入ります。
本当にしっかりリフォームができているのかということを、実際に建築士が見に来てくれます。
保険会社側も保険金を支払いたくないので、当然保険にかかることができる工事なのかをしっかりと調べるわけです。
皆様にとってはメリットしかないと思います。
以上、リフォームのご検討の際には、リフォーム瑕疵保険をご活用を強くお勧めします。