太陽光発電でオール電化にしないのは本当にもったいないの? 実際のところを教えます

  • 太陽光発電=オール電化

このイメージはもはや常識となりつつあります。

理由はいくつかありますが、

  • 太陽光発電とオール電化の相性がいい
  • 太陽光発電の導入費用が下がっている
  • 蓄電池も入手しやすくなった
  • 電力会社の販促

などが主でしょう。

よく、太陽光発電があるのにオール電化にしないのはもったいない! という言葉を聞きます。

果たして本当にそうなのでしょうか。

この記事では、国の省エネ政策をもとに事業者向けにセミナーや勉強会などを実施した経験から、太陽光発電でオール電化にしないのは本当にもったいないの? といった部分を見ていきます。

なぜ太陽光発電とオール電化はセットなのか

まず、なぜ太陽光発電はオール電化とセットで語られることが多いのでしょうか。

先程も述べましたが、これには様々な理由があります。

太陽光発電とオール電化の相性がいい

太陽光発電は、太陽の光を受けて発電します。

では、日中、太陽光発電が稼働している間、家の電気代はどの程度になるのでしょうか。

答えはゼロです。

太陽光発電の容量にもよりますが、5kW以上の容量があればゼロが目指せるとお考えください。

そのため、オール電化にしておけば、少なくとも太陽が出ている間は家の光熱費がゼロになります。

太陽光発電の導入費用が下がっている

光熱費が日中ゼロになったとしても、そもそもの太陽光パネルですとか、発電設備の価格が高かったのがこれまでの状況です。

そのため、国や都道府県、市町村といった自治体から太陽光発電を導入するための補助金なども出ていました。

今はどうでしょうか。

少なくとも、国からは太陽光発電の補助金はもう出ていません。

これには2つの理由があります。

  1. もう十分に太陽光発電が家庭に行き渡った
  2. 太陽光発電設備の価格が下がった

補助金がないのは痛手ですが、裏を返すと補助金が必要なほどの費用がかからなくなったと言うわけです。

相場感を申し上げると、5kWでおおよそ100万円です。

自治体によってはまだ補助金が出るところもあるので、是非活用していきたいところです。

蓄電池も入手しやすくなった

太陽光発電の導入だけでも、少なくとも晴れた日の日中の電気代はゼロになります。

そして消費しきれなかった分の電気を売電して利益にすることもできます。

これに蓄電池が加わるとどうでしょう。

蓄電池とは
電力を貯めておく家庭用の大型電池

こうなります。

日中
  • 太陽光発電で電気代はゼロ
  • 余った電力は蓄電池に充電
  • 更に余った電力は売電
夜間
  • 蓄電池に貯めた電力を使う間は電気代ゼロ
  • 蓄電池の電力がなくなったあとは安い夜間電力を使う

そうすることで、1日の消費電力をほとんど自家発電でまかなえます。

実際、我が家の月の電気代を見てみるとこうです。

  • 電気代
    平均7,000円
  • 売電で電力会社から支払われる額
    平均25,000円

差し引き18,000円のプラスです。

これをローンの支払に充てれば、家計にダメージを与えずに蓄電池が導入できるというわけです。

ひと昔前と比べると蓄電池の価格もかなり下がっています。

かつ、国レベルでも現在蓄電池の補助金が出てます。

ご参考:DER補助金

これらを活用することで、蓄電池のハードルも低くなっている状況です。

電力会社の販促

電力会社はガスを止めて家庭の消費電力を増やしたいので、いわずもがな、オール電化を推進します。

新電力(ほとんどは失敗したようですが)といった言葉も、どこかで聞いたことがあるかと思います。

例えば電気とネットをセットにすれば割引があるですとか、そういったキャンペーンなどもあるのでメリットがありそうなものがあれば見てみるのもいいでしょう。

ただし、国との取り決めで定められた電気代の上限価格は、既存の電力会社(東京電力など)よりも新電力のほうが高いです。

石油価格の高騰により電気代が上がったという話もありましたが、そうした際には新電力のほうが電気代が上がる可能性が高いのでご注意ください。

太陽光発電+オール電化の家に実際に暮らした感想

それでは実際に、太陽光発電+オール電化の家に住んでいる人の感想を聞いてみましょう。

モデルはもちろん私です。

私のデータ
  • 4人家族
  • 平屋
  • 在宅ワークで日中も電気を使う
  • 太陽光発電容量は15kW
  • 蓄電池容量は7kWh
  • オール電化
月々の電気代
  • 電気代
    平均7,000円
  • 売電で電力会社から支払われる額
    平均25,000円

今の家に住んでから5年ほどになりますが、平均すると上記のような状況です。

結論から申し上げると、快適です。

太陽光発電+オール電化の家が快適な大きな理由を3つにまとめました。

①ガス代がかからない

光熱費の面で見るとこれが非常に大きいです。

以前暮らしていた家ではプロパンガスで、ガス代は月に15,000~20,000円でした。

これがゼロになるのがありがたく、またお風呂やコンロなどを電気にしたところで、それほど電気代が上がらなかったのもあります。

注意点としては、コンロは当然IHとなりますが、火を使わないため上昇気流が起こらず、ガスと比較して換気扇の効果が弱まり、においが残りやすくなります。

②台風時の蓄電池の威力

私の暮らす地域は台風が来ます。

そして台風時には停電します。

ですから、蓄電池の威力をいつも感じています。

周りの家々が真っ暗な中で我が家だけが明るいのです。

7kWhの蓄電池がフル充電であれば、冷蔵庫+エアコン+スマートフォン等への充電を稼働し続けても一晩もちます。

そして翌日、日が昇れば太陽光発電で再び蓄電池へ充電し、夜に備えます。

晴れの日が続く限り、まるで停電していないような暮らしが送れるというわけです。

特に小さいお子さんや高齢者との同居をされている場合、これがどれほどありがたいかがおわかりかと思います。

③エアコンなどが気兼ねなく使える

我が家では基本的に、エアコンはつけっぱなしです。

春と秋を除き、例えば初夏、「そろそろ暑くなってたな」と思って冷房のスイッチを入れます。

そのまま秋までつけっぱなしです。

冬も同様で、春まで暖房はつけっぱなしです。

その状態で我が家の電気代は平均7,000円ほどです。

どれだけ高かったとしても、10,000円を超える月は稀です。

ですから、例えば実家などに遊びに行った際に感覚が違いすぎてギャップを感じることはあります……。

ここまで、太陽光発電でオール電化にしないのは本当にもったいないの? というテーマで、実際の状況などふまえながら見てきました。

おわかりのとおり、太陽光発電でオール電化にしないのはもったいないです。

まとめ

太陽光発電でオール電化にすれば……

  • 光熱費が減る
  • 停電時に普段通りの暮らしが送れる

できれば太陽光発電+蓄電池を導入することで、よりオール電化は威力を発揮することでしょう。

いつ頃の話だったでしょうか。

  • 先月の電気代、70,000円だったんだけど……

と知り合いに言われ、恐る恐る電気代を確認してみると14,000円でした。

  • 確かに普段の2倍になってる……

で済みます。

世界情勢の不安や円高、物価、燃料費の高騰などなど、どうしようもないけれど生活費が不安定な時代です。

コントロールできる部分はコントロールする。

そのために、電気代を自家発電でまかなうという方法は効果的です。