リフォームで失敗しないための5つの心得|業者選び、相場、ほかにも…

近頃、我が家も少し古くなってきた気がするなあ

  • 壁がなんとなく汚れていたり、屋根の色があせてきたり、風呂やトイレの汚れが落ちなくなってきたり。
  • 足の悪い家族がいるからスロープを作ろうか。
    廊下を広くして、手すりなんかもつけた方がいいかもしれない。
  • 窓をいいやつにしたら家の中が寒くならないらしい。
  • あの天井の隅っこ、もしかして雨漏りしてない…?

いろいろな理由でリフォームをお考えかと思います。

住み慣れた我が家にもそろそろ手を入れる時期が来たのかもしれませんね。

そうは言っても、何をどうすればいいやら…

リフォームともなればそれにかかる時間もありますし、金額も決して安くはない場合が多いでしょう。

折角やるからには失敗なんてしたくない!

今回は、リフォームで失敗しないための心得についてお話をしていきたいと思います。

1.ちゃんとした会社かどうかを見抜く!

まずこれだけは絶対に覚えておいてください。

  • 呼んでもいないのにいきなり訪問して来る業者はロクなもんじゃない

当たり前のことです。

アポ無しで訪問してくる業者は100%営業です。

近くで工事をしているものですから、ご挨拶に〜

家の専門家なのですが、たまたま通りかかった所、こちらのお宅の外壁が少しよくない状態だと見受けられたので〜

新しくこの地域の水道の担当になったので、まずはご挨拶に〜

フット・イン・ザ・ドアと呼ばれる、テクニックと言うのもアホらしいような古い営業手法です。

こんな暇人やお人好しは残念ながらいないと考えるようにしましょう。

ではちゃんとした会社とは何でしょう。

信頼できる会社と言うことです。

リフォーム業者を選ぶとき、このような目線で見るようにしてみてください。

これができる業者かどうかが、ちゃんとしているかどうかの目安になります。

ちゃんとしている業者の特徴
  • 連絡がつきやすい
  • 対応、レスポンスが早い
  • 親身に話を聞いてくれる
  • 契約を急がせてこない
  • 恐怖心を煽るような営業をしない
  • 部材や設備の説明ができる
  • 適正な価格の説明ができる
  • 納得の行く工期の説明ができる
  • 契約書などの書類に不備がない
  • アフターフォローが手厚い
  • 不快感のない言葉づかいができる
  • 身なりが不潔ではない

上に挙げたようなものは社会人として本来できて当たり前のことなのですが、できていない業者や営業が非常に多いように思います。

地場の業者であれば口コミなども参考になるでしょう。

個人的には経験上、小さな会社でも社長が直接対応してくれたりして、上のようなやりとりができる業者は信用できるケースが多いです。

2.相場感を見極める!

最も難しい部分かと思います。

何しろこちらは、例えば塗料の値段がいくらするのかも知りません。

これに関してはやはり相見積を取るのが一番です。

対応も早いし提案も素晴らしい業者! しかし高い!

もしかすると同じ内容の工事を半額で請け負ってくれるところがあるかもしれません…。

コツとしては、見積もりの内訳がわかる資料をもらうことです。

部材や作業費さえわかれば、あとは別の業者に持っていっていくらでできるかを聞くだけです。

当然、スタートの段階で相見積もりを取ってしまうのも手です。

便利な時代になったもので、車の買取や引越し費用のようにネットで一括見積りを取れるサービスもあります。

一体これぐらいの工事だと、普通いくらかかるんだろう…

どれだけいい業者だったとしても、一社だけが言う価格で決めてしまわないことが大切です。

価格に余裕をもたせておいて、値切られた際に対応できるようにしておくことは、悪徳業者でなくとも普通に行われていることなのです。

適正価格を知り、カモにならないように立ち回っていきましょう!

3.セカンドオピニオンを持つ!

相場感の話に通じるところがありますが、これは2社と言わず、多ければ多いほどいいかと思います。

残念ながら世の中には悪徳業者が多くはびこっています。

しかし同じくらい優良業者も多く、こちらとしても少しでもいい業者で決めたい所です。

ですから価格に限らず、ぜひ複数の業者に相談して良し悪しを判断してほしく思います。

そうすることで、

A社はオシャレな提案ができるけど、割高なんだな

B社はとにかく部材も工事も最安値で攻めてきてるんだな

C社はちょっと古臭いけど、職人さんの腕はすごい

といった業者ごとの色がわかってきます。

また提案や見積もりに疑問があった際に、素直に別の業者へぶつけてみることもできます。

その分手間も時間もかかってはきますが、せっかくお金をかけて自宅のリフォームを行うのですから、少しでも納得のいく工事になるように、もっと言うと少しでもリフォーム関わる時間を楽しんでほしいと思います。

4.ワガママになる!

日本人は奥ゆかしく、和を尊び、多くを語らないことを良しとします。

非常に美しく、世界に誇れる私も大好きな考え方です。

だからこそ、リフォームのときぐらいワガママに徹してみましょう!

「イイヒト」でいれば業者がリードしてくれますから、お互いにとってラクに話が進むでしょう。

しかしそれはある意味業者の言いなりになるとも言えます。

ですから、「譲れないこと」と「どうでもいいこと」の線引をしっかり行うことが肝心です。

以下の例のように決めておくとスムーズに打ち合わせを行うことができるでしょう。

リストの例

譲れないこと

  1. お風呂
    足が伸ばせること!
  2. トイレ
    ウォシュレットのボタンは壁付!

  3. 絶対ホワイト系!

  4. 樹脂サッシ!

どうでもいいこと

  1. 壁紙
    一番安いやつでOK
  2. ドア
    親子扉だったら何でもOK
  3. カーポート
    2台分あれば一番安いやつでOK

大事なのはあらかじめこちらの要望をきちんと伝えることです。

「これは無理だろうな…」と決めつけてしまわず、

まずはざっくばらんに相談してみましょう!

意外となんとかなるものです。

5.少しでいいので興味を持ってみる…!

私の知り合いに損保の調査員がいます。

地震などで被災した住宅をまわり、被害状況を調べて保険の支払額を決める仕事です。

何年か前、ある地域で調査を行なっていた時の話です。

この和室はどうなのでしょうか

小さな一軒家に女性が一人で住んでいたそうです。

地震のあと、家屋に被害があったため保険を使いたいとの申し出でした。

もともと古い家でしたが、以前一度全体のリフォームを行なっていたため、「思ったほどの被害ではないな」というのが最初の感想でした。

リフォームがよかったのでしょうね。軽いひび割れ程度なので、こちらの補修分の保険金の支払いになるかと思います

リビングから続く六畳の和室の前で、手元の書類に状況を書き込みます。

そうですか。ありがとうございます

住人は安心した様子です。

この家をやり直したときも、業者さんがとても親切にしてくださって

そうでしたか。では補修もそちらにお願いされるんですか?

そうしようと思います

会話しながら和室を眺めていた所、なんとなく変な感じがしました。

何が変なのだろうかと思います。

壁や柱はまっすぐですし、少しすみにヒビが入った程度です。

補修を行えば問題はないはずです。

そうやってしばらく和室を見回していましたが、やがて変な感じの正体がわかりました。

奥さん。補修は別の業者でやってもらった方がいいですよ

え? どうしてですか?

天井を見てください

和室の天井は普通、板張りまたは板張りの模様の壁紙が貼ってあります。

張り方の向きには決まりがあり、花や掛け軸を飾る床の間と平行になるようにします。

この家の和室では、床の間から見て縦向きの形になるように天井の板張りがされていました。

つまり普通とは反対向きの張り方でした。

業者を変えるほどの間違いですか? これで地震への強さが変わるのですか?

耐震や、住宅の性能には全く影響ありません

この家の和室のように天井の板張りをするケースは確かにあります。

今では古い武家屋敷のような場所で見ることができるかもしれません。

床の間から見て縦向きの形になるような天井の板張りは、武士が切腹を行うための部屋の造りです

手抜き工事や欠陥住宅のたぐいではないかもしれません。

しかし考え方によっては、より恐ろしい施工ミスであったと言えます。

ほんの少しでいいと思います。

リフォームの提案の良し悪しを最後に判断するのは自分です。

ほんの少しでいいので、少しだけ家について興味を持っていただければと思います。